フレスコボールのルール【2026年最新】遊び方から大会の採点方法(打数・スピードガン)まで解説

「フレスコボールってどうやって勝つの?」「大会では何を競っているの?」——フレスコボールは、相手を打ち負かすのではなく、2人で協力してラリーを続けるユニークなスポーツです。とはいえ大会ではしっかり点数がつき、順位が決まります。
この記事では、日本フレスコボール協会(JFBA)の2026年最新ルールブックをもとに、遊びのルールから大会の採点方法まで、図解と計算例つきで解説します。フレスコボールそのものを知りたい方は、先に「フレスコボールとは?」もどうぞ。
3行でわかるフレスコボールのルール
- 遊びのルール — 2人1組で、ボールを落とさずにラリーを続ける。勝ち負けはない
- 大会のルール — 1ペアずつ5分間プレーし、その内容を点数化して順位を決める
- 大会は2部門 — 打数とアタックを競う「CLASSIC Div.」と、球速を競う「TOP Div.」がある
基本のルール(遊びで楽しむ場合)
フレスコボールの基本は、驚くほどシンプルです。
- 2人1組でプレーする
- ラケットで専用のゴムボールを打ち合う
- ボールを地面に落とさず、できるだけ長くラリーを続ける
- 相手が打ち返しやすいボールを返す(=協力する)
テニスやバドミントンのように「相手のコートにボールを落として点を取る」のではなく、2人がラリーを続けることそのものが目的です。ネットもコートの線もいらないので、2人が向かい合える広さがあればビーチでも公園でも楽しめます。

向かい合う2人は「敵」ではなく「チームメイト」
フレスコボール最大の特徴は、目の前の相手が味方だということ。カジュアルに遊ぶ場面では勝敗という概念がそもそもなく、「何回続いたか」「どれだけ気持ちよく打ち合えたか」を楽しみます。
大会でもこの考え方は変わりません。順位を競うのはほかのペアであって、向かい合う2人は同じチーム。ペアとしての完成度で勝負します。
大会の共通ルール
日本の公式大会は、JFBA が主催する全国ツアー「FRESCOBALL JAPAN TOUR」として開催されています。まずは2つの部門に共通する基本ルールです。

項目 | ルール |
|---|---|
人数 | 2人1組(男子・女子・ミックスの3カテゴリ) |
試合時間 | 5分間(試合前に1分間のウォーミングアップあり) |
選手間の距離 | 7m以上。砂浜に貼ったラインテープの両端がちょうど7m |
進め方 | 1ペアずつプレーし、審判が採点する(ほかのペアと直接打ち合うことはない) |
使用ボール | JFBA 大会公式ボール |
ボーラー | ペアごとに1名つく、ボールの配給・回収係。落としたボールを選手が拾って使うのは不可 |
服装 | 指定なし |
「落球」になるのは次の3つです。
- ボールが地面に着いたとき
- ボールが選手・観客・審判の体に触れたとき
- ボールがテントやネット、椅子などの設営物に触れたとき
ちなみに試合開始の合図は、スタート音のあとの「バモス(Vamos=ポルトガル語で『さあ行こう』)」のかけ声。「バ」と発声した瞬間からカウントが始まる、ブラジル発祥のスポーツらしいルールです。
大会は2部門:CLASSIC Div. と TOP Div.
2026年シーズンの JAPAN TOUR には、採点方法がまったく違う2つの部門があります。JFBA は「部門による優劣はない」としており、同じ大会に両方エントリーすることもできます。

CLASSIC Div. の採点方法(打数+アタック+印象点)
「5分間でどれだけ打ち合い、どれだけ攻撃的なラリーを見せたか」を競う、フレスコボールの伝統的なスタイルです。得点は次の6項目の合計で決まります。

① 総打数点:とにかく打ち続ける
ラケットにボールが当たった回数がそのまま点数になり、落球1回につき1pt引かれます。なお、同じ人が1人で続けて2回以上ラケットに当てた場合は、1回目しかカウントされません。
② 落球点:落とさないほど高得点
落球0回で300pt、1回落とすごとに10ptずつ減ります。落球が30回に達すると、時間が残っていてもその場で競技終了です。
③ アタック点:攻撃的な打球は1本2pt
フレスコボールのラリーは、片方が強く打ち込む「アタック」と、それを受けて返す「ディフェンス」の繰り返しです。次の2つを満たす打球がアタックと判定されます。
- 腕をしっかり振り抜き、フォロースルーがある
- 前の打球より速い
フォアハンドでもバックハンドでもOKですが、アタックをアタックで返すことはできない(2球連続でアタックとは判定されない)決まりです。
④ アタックバランスポイント:2人で均等に攻める
片方だけが打ち込み続けるのではなく、2人がバランスよく攻めるほど点が伸びる仕組みです。計算式は「(少ない方のアタック数 ÷ 多い方のアタック数)×(ペアの総アタック数 ÷ 2)」です。

⑤ アタックボーナス:200本を超えたら加速
ペアの合計アタック数が200本を超えると、201〜230本目は1本につき1pt、231本目以降は1本につき2ptが追加されます。ただし実際の大会で200本を超えるペアはごくわずか(2026年のリクゼンタカタカップ CLASSIC Div. では51ペア中1ペア)で、多くのペアは0ptです。
⑥ インプレッションポイント:審判4名の印象点
審判4名が次の2項目を1〜10の10段階で評価し、合計に2.5を掛けます(各最大100pt、合計最大200pt)。
- アタックインプレッション — アタックのダイナミックさ・力強さ・スピード
- テクニカルインプレッション — 攻守の切り替えの美しさやタイミング、ラリーの中で自然に生まれる技(バックアタック、股抜き、背面打ちなど)、ラリーの安定感
計算してみよう(CLASSIC Div.)
※実際の大会結果をもとにした、中位くらいのペアの例です。
5分間で320回打ち、落球が15回。アタックはAさん64本・Bさん48本(合計112本)。審判の評価はアタック面が4人とも「6」、テクニカル面が4人とも「5」だったペアの場合:
項目 | 計算 | 得点 |
|---|---|---|
① 総打数点 | 320 − 15 | 305pt |
② 落球点 | 落球15回 | 150pt |
③ アタック点 | 112本 × 2 | 224pt |
④ アタックバランス | (48 ÷ 64) × (112 ÷ 2) | 42pt |
⑤ アタックボーナス | 合計112本で200本未満 | 0pt |
⑥ インプレッション | (6×4)×2.5 + (5×4)×2.5 | 110pt |
合計 | 831pt |
打ち続ける力(①②)と攻める力(③④⑤)、見せる力(⑥)のすべてが点になるのがわかります。
実際の大会ではどのくらいの点数?
2026年8月の「リクゼンタカタカップ」CLASSIC Div.(51ペア)の結果を集計すると、次のようになりました。上の計算例は、ちょうど真ん中くらいのペアにあたります。
項目 | 真ん中のペア(中央値) | いちばん多かったペア |
|---|---|---|
総得点 | 約830pt | 1,337pt |
総打数(5分間) | 310回 | 438回 |
落球数 | 18回 | (最少は5回) |
総アタック数 | 117本 | 202本 |
インプレッション(合計) | 115pt | 185pt |
5分間で300回前後、およそ1秒に1回のペースで打ち合っているのが平均的なペア。上位のペアは400回以上打ちながら、落球を10回以下に抑えています。
TOP Div. の採点方法(スピードガンで球速を得点化)
2025年シーズンから導入された、JFBA 独自のスピードガン得点システム「HAYABUSA Pro」を使う部門です。打球の速さがリアルタイムで計測され、そのまま点数になります。得点は「① 球速加点 × ② コンボボーナス − ③ 落球減点 − ④ 注意減点」で計算されます。
① 球速加点:50km/h以上の打球が点になる
時速50km/h以上の打球だけが得点になり、速いほど倍率が上がります。たとえば 55km/h なら 55 × 1.1 = 60.5pt、100km/h 以上なら2倍です。

得点になるのは1人あたり150球まで。151球目からは「速かった上位150球」で計算し直されるので、試合の後半でも速い球を打てば点が伸びます。
② コンボボーナス:60km/h以上を6連続で×1.1
60km/h以上の打球が同じ方向に6連続以上計測されると、そこからの打球の点数が1.1倍になります(ボーナスの対象は最大30球まで)。
③ 落球減点:6回目から3%ずつ減る
5回目までの落球は減点されません。6回目で総得点の3%、7回目で6%、8回目で9%……と、1回落とすごとに3%ずつ減点が大きくなります。
また TOP Div. では落球のたびに時計が止まるので、5分間をフルに打ち合いに使えます。そのかわり、落としたら原則10秒以内にプレーを再開しなければいけません。
④ 注意減点:7mライン違反や再開の遅れ
7mのラインを越えてプレーを続けたり、落球後の再開に10秒以上かかるプレーを続けたりすると、審判から「注意」が出ます。1回目は減点なし、2回目から総得点の10%、3回目は20%……と、10%ずつ重くなります。

どのくらいの点数が出るの?
参考として、JFBA は2026年シーズンの海外大会派遣の基準(強化指定ペア)を、TOP Div. の1試合で男子20,000点以上・ミックス13,500点以上・女子7,000点以上としています。
順位・年間ランキング・日本代表の決まり方

- 大会の順位 — 男子・女子・ミックスの各カテゴリで得点順。上位3組が表彰されるほか、「ファッション賞」「ベストラリー賞」などの特別賞もあります
- 年間ランキング — TOP Div. と CLASSIC Div. のそれぞれで、「1stステージの最高得点 + 2ndステージの最高得点 + ジャパンオープンの得点」で算出
- 日本代表 — 各カテゴリで「ジャパンオープン TOP Div. の優勝ペア」+「年間ランキング上位2組」の計3組(ジャパンオープン TOP Div. への出場が条件)。50歳以上のペアによるマスターカテゴリの代表枠もあります
2026年のツアーは、2月の沖縄から始まり、湘南(鵠沼)・淡路島・お台場(1stステージ)、牧之原・霧島・陸前高田(2ndステージ)を経て、9月のジャパンオープン(兵庫県明石市)が最終戦という構成です。最新の大会日程は JFBA の公式ブログで確認できます。
初めて大会に出るなら?
採点の仕組みから考えると、まずは CLASSIC Div. から挑戦するのが現実的です。TOP Div. は50km/h未満の打球が得点にならないため、ある程度速い球を安定して打ち合えるようになってから挑戦するのがおすすめです。
大会では選手の年齢もさまざま。18歳以下(ユース)と50歳以上(シニア)は結果表に年齢区分が表示され、シーズン終了後には区分別のランキングも発表されます。幅広い世代が同じ大会で競えるのも、フレスコボールの魅力です。
まずは仲間と打ち合うところから始めたい方は、体験会やマップで近くのクラブを探してみてください。
よくある質問(FAQ)
フレスコボールに勝ち負けはありますか?
遊びで楽しむ場合はありません。2人で協力してラリーを続けることを楽しみます。大会ではペアごとに5分間のプレーを採点し、ほかのペアと点数で順位を競います。
大会の試合時間は何分ですか?
5分間です。試合前に1分間のウォーミングアップがあります。CLASSIC Div. では落球しても時計は止まりませんが、TOP Div. では落球のたびに時計が止まります。
2人の距離は何メートル離れますか?
公式大会では7m以上です。ラインを越えてプレーを続けると審判から注意が出て、減点の対象になります。
大会ではどうやって点数をつけるのですか?
CLASSIC Div. は打数・落球数・アタック数・審判の印象点の合計、TOP Div. はスピードガンで計測した球速(50km/h以上)を点数化します。
スピードガンで何km/h出れば点になりますか?
TOP Div. では50km/h以上の打球が得点になり、速いほど倍率が上がります(100km/h以上で2倍)。
何回落とすと試合が終わりますか?
CLASSIC Div. では落球が30回に達するとその時点で試合終了です。
テニスのラケットやボールでもできますか?
フレスコボールは専用のラケットとゴムボールを使います。大会では JFBA の公式ボールを使用します。道具の選び方はラケットの選び方ガイドで解説しています。
まとめ
フレスコボールのルールは「2人で協力してラリーを続ける」が基本。大会ではその中身を、打数とアタックで競う CLASSIC Div.、球速で競う TOP Div. の2つの方法で点数化します。どちらの部門でも、目の前の相手はライバルではなくパートナー。2人の息が合うほど点が伸びる、ほかにはないスポーツです。
ルールがわかったら、次は実際に打ってみましょう。始め方は「フレスコボールの始め方」で、ラケットとボールはショップで探せます。
※この記事は JFBA「FRESCOBALL JAPAN TOUR ルールブック」(2026年8月10日改訂)と「2026年『競技ルール』『日本代表選出方法』等について」(2026年8月28日更新)をもとに作成しています。ルールは毎年改訂されるため、大会に出場する際は必ずJFBA 公式ブログの最新ルールを確認してください。
